ドライアイは、世界中で数億人の人々が罹患している現代病の1つです。(ドライアイ疾患:Dry Eye Disease:以下、DEDと記載)
1.DEDの分類と原因
原因
- 涙液欠乏型ドライアイ(aqueous tear deficiency):
涙液の産生不足と、質の異常によって発生する。
例えば、シェーグレン症候群等で発生するDED等。 - 脂質異常型ドライアイ(lipid deficiency):
マイボーム腺機能不全、眼瞼炎及び涙液の蒸発の増加などの様々な要因によるDED等。
脂質層の質、叉は、量の異常によって発生する。 - ムチン異常型ドライアイ(mucin deficiency):
様々な要因によって眼表上皮細胞(特に杯細胞)が損傷して起こる。
臨床的には、眼表面の薬物毒性損傷、化学的眼外傷、熱傷、角膜機能不全、および
コンタクトレンズの長期着用によって発生するDED。 - 涙液動態異常型ドライアイ(abnormal tear dynamics):
異常な瞬目(瞬目の頻度の減少、不完全な瞬目等)、異常な涙液分泌、結膜の緩み、及び、
眼瞼の異常など、涙液動態の異常によって発生するDED。各要素によって引き起こされる、
ビデオ端末症候群、および神経麻痺、露出部分の機能不全の一部も、このタイプのDED。 - 混合型ドライアイ(mixed dry eye):
上記2つ以上の原因によるものである。臨床で最も一般的なドライアイは、このタイプで、
重度のビデオ端末症候群もこのタイプに属する。
2.有効性について
現在、行われているDEDの治療を纏めると以下となり、代替涙液を提供し涙液を増やす事が治療の主となっています。従って、DEDの改善に於いて、涙液を増加させる事がいかに大事であるかが
分かります。
1.涙液欠乏型に於けるRTEWの有効性(涙液増加に対する有効性)
DEDでは、様々な要因が眼表面に影響を及ぼして、角膜上で涙液層の容易な破壊を引き起こし、
眼の不快感や視機能異常を生じます。
しかし、涙液層の破壊は角膜表面の知覚神経を刺激して、反射性の涙液分泌が起こります。そして、分泌・増加した涙液によって角膜表面の涙液層の厚みが増加する結果、涙液層の破壊が起こりにくくなります。
この反射性の涙液分泌は、三叉神経-副交感神経からなる長い神経ループと涙腺によって構成され、Reflex Loop-涙腺システムと呼ばれています。
Reflex Loop-涙腺システムは、涙液の提供により涙液層の破壊をキャンセルしようと働きます。
Refresh Technology EWの機序は、Refresh Technology EW に於ける電流パラメータが発生させる電気刺激により、求心路(三叉神経)への入力を増やす事に因って、それが中枢神経への間接的な修飾となり、遠心路(特に副交感神経)への刺激増大となって涙液が増加するという機序です。
図1)の緑点線の部分を詳しく図示し、代表障害要因を記載したものが図 2)です。
Refresh Technology EW では、このReflex Loop-涙腺システムに着目し、三叉神経への刺激と
涙腺を直接刺激しています。
また、 RTEW に使用されている電流パラメータが発生させる電気は、眼に爽快感を与える事が可能で交感神経優位とはならず、副交感神経優位となります。
尚、この反射反応に関与する遠心性神経の種類は同定されていませんが、当社では、多くの学者の意見同様に副交感神経が重要な役割を果たしていると考えております。
2.涙液増加によるその他要因への遡及効果
- ムチン異常型の原因の1つに摩擦障害があり、涙液の増加は摩擦軽減につながる為、
まずムチン減少型への効果が挙げられる。 - 涙液動態異常型の原因の1つに涙液欠乏がある為、涙液増加による涙液動態異常型への効果が
2つ目として挙げられる。
血流改善による効果
Refresh Technology EW は、眼に爽快感を与える事が可能で、これはリラックスしている状態に
等しく、副交感神経を優位にさせ、一般的な低周波以上の血流促進効果があります。
これが眼全体の細胞賦活へと繋がり、DEDへの副次的効果となります。